きのうは首と腰の3ヵ月ぶりの定期検診の日であった。
手術からいずれも1年が過ぎたが、歩きにくいという症状は変わらず、かえって術前よりひどい状態である。
医師は「その後いかがですか」と聞くが、何も答える気もなくなってしまった。何度も同じ話の繰り返しである。症状を訴えても何の治療方針を示すわけではなく、「ではまた3カ月後」、で退出である。
理学療法士なのか知らないが、手術後のリハビリを担当してくれた人と話をすることができた。
「その後一向によくならない」、という話をしたら、「そうでしょうね」と納得しているようだった。
介護保険によるリハビリ施設も、年寄りの時間つぶしの場で効果は期待できないと言う。若いのに良く分かっている人である。
私のブログを読んだ人から、「悠々自適の日々を過ごされているようで」とコメントをいただいたことがあるが、それほど悠々自適な生活をしているわけではない。
相変わらず歩行困難は改善しないし、時間をつぶすため煩悩の日々を送っている。歩行困難さえ回復すれば、また第一線で働きたいという気持ちである。
悠々自適とは、時間にもお金にも余裕がある生活、ということであろうが、老後の生活の理想ということなのだろうか。
人との関係に煩わされることもなく、自分の気持ちのままに生きていくことは確かに気分のいいことである。人生歳をとってからしかこの気分を味わうことができないのなら、大事にしなければならない。
このところ続けて、以前仕事の依頼人であった二人の来訪を受けた。
お二人とも20年以上も前にお目にかかった人たちである。
ご自分の相続に関する相談であった。
生きているうちに相続させたいという人に、相続は貴方が死ななきゃ相続にならない、ということを理解してもらうのに手間がかかった。
お二人とも若いときは優秀な方たちとお見受けしたが、専門外のこととなると何も分からない。中学や高校のときに家族に関する法制度とか相続に関する知識を教えるべきではないかと思う。法律は決して難しいものではない。小学生だって理解できるものである。
お二人とも80歳を超えている。自分の財産の整理をする歳になったということであろう。いずれの相談も、相談者が死亡することが説明の前提になっている。
「不愉快な話で申し訳ないですが、あなたが死んだらですね……」という前置きを何度かしながら説明することになった。(了)
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