某三流とも言うべき私立大学を出て大学院修了後、某四流私立大学の講師から教授になった人が、自分の学歴によってずいぶん苦労している、という話を最近人づてに聞いた。
昔、知人の子供二人が国立大学医学部に入学した時、医者になるには絶対国立大学出身でなければだめだという話をその父親から聞いたことがある。
何年か前、家庭の事情で高校までしか行けなかった人が、絶対息子を東大に入れると言って、息子を開成から東大法学部に入学させた。
このところ学歴について思うことが多くなった。
世の中には一流というものが存在している。私のように頭も悪く、夜間高校、夜間大学出身では想像もできない一流の世界が存在しているようだ。
しかし決して自分を卑下しているわけではなく、一流に対して畏敬を持っているということでもない。
世の中には、「世界が違う」ということが存在していることは知っていたが、実感したのはこの歳になってのことである。
実感することになったのは孫の高校進学である。
私立大学の付属校であるが、同級生の優秀さ、育ちの良さ、器量のよさ、親の優秀さ豊かさ。今まで全く聞いたこともない世界である。
孫の同級生は来年医科大学に推薦入学するという。医大に推薦入学というのは今まで聞いたことがなかった。
私が夜間大学卒業後、務めた会社で感じた嫌悪感は、すべて自分のせいである。自分に能力がないから、劣悪な会社でしか働き口がない。
世の中には、私の知らなかった素晴らしい人間関係というものがある。友情もある。尊敬もある。
貧しく育ててはいけないし、貧しく育ってはいけないが、親は選べないし、頭は自己責任とするしかない。
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