妻には美田を残すべき

つぶやき

 いつの資料か不明だが、高齢者の経済状況において 、「苦しい」層の割合は26.4%という数字がある。苦しい層とは、「大変苦しい」、「やや苦しい」を併せたものだという。

 この資料では、何歳からを高齢者と言うのか記載がないが、一般的には65歳以上ということになっているから、そういう理解でいいのだろう。
 
 内閣府の令和6年版高齢社会白書によると、経済的な暮らし向きについて心配がないと感じている65歳以上の人は68.5%と記載されている。 
 
 「心配がない」とは、「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」を併せたものである。

 出元が同じではないから併せて100%とはならないが、「苦しい」層が26.4%、「心配がない」層が68.5%ということであるから、日本の高齢者の7割近い人が心配のない生活をしていることになる。

 普通に学校を卒業し、普通の会社や役所に勤め、定年まで勤めあげれば、まとまった退職金と年金によって、死ぬまで生きていけるシステムになっている。つつましく生活していれば貯えもできる。
 時代の流れから定年延長とか、退職金の減額ということがあったにしてもそれほどの変化ではない。
 豊かな国と言うべきなのかもしれない。

 苦しい層にはいろいろなケースがあると思うが、今思うのは自営業者のことである。

 先日ランチをご一緒した女性のご主人は設計士であった。自宅を事務所にして主に構造計算の仕事をしていたらしい。40才前に独立開業したから年金は国民年金ということになる。

 年金の知識がないので正確なことは分からないが、ご主人が亡くなれば年金は奥さんの分だけということになるらしい。
 国民年金基金というものもあるということだから、それに入っていれば月10万くらいの給付を受けることができるのだろうか。

 一人暮らしの女性の窮状が報じられている。ずっと独身であった人もいるが、大半の人が自営の夫を亡くした話である。

 自営は仕事がうまくいけば勤め人よりはるかに多い収入を得るが、うまくいかなければ食べるのに精いっぱい、貯えどころではない、ということになり、場合によっては借金だけが残るということもある。

 ブログにも、月5万とか6万円の生活という女性の話がよくある。
 昨日のネットには、まだ少し若い頃から夫婦で喫茶店をはじめたが、じり貧でとても老後の貯えなどできるはずもないという記事があった。

 ランチをご一緒した女性はまだ70歳。まだまだおしゃれをすれば目立つような人であるが、とても美容室に行けるような余裕はないという。
 半年に及ぶ夫の病院施設費がかなり高額なものであったらしい。

 夫は、妻には美田を残さなければいけないものであることを痛感する。

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