新聞の投書欄に目を通すことは滅多にないが、今日は掲載された投書全部を読んだ。
「南海トラフ地震前に原発止めて」というタイトルで投書した人は72歳の女性で、福島第1原発事故の放射能被害により今でも故郷に帰れず、現在は山口県に住んでいるが、対岸には伊方原発がある。
このタイトルが気持ちの中にスーッと入ってきた。
「南海トラフ巨大地震」が迫っているというのだから、地震前に原発を止めるのは当たり前のこと。
「南海トラフ地震前に原発止めて」という投書が掲載されることがおかしいといえばおかしい。
国の有識者会議が南海トラフ巨大地震の新たな被害想定を公表したが、原発事故の危険性や被害推定が盛り込まれていないのはどういうことかと指摘している。
本当にどういうことなのか。原発事故を想定しない有識者会議なるものになんの意味があるというのだろうか。国の有識者会議だからそういうことになるのだろうが、口に出すのも空しくなる無責任である。
有識者会議ではないが、農水省から5年後の2030年における「食料・農業・農村基本計画」案が提示されたらしい。このことに関して「実現不可能な食料自給率目標」と題して、農業、70歳男性の投書がある。
自給率の数字というものが計算方式によって分かりにくいが、農水省のホームページでは何%か自給率がアップしたとかいうことが書いてある。
2030年までに米も27万トン増産し、自給率を現状の38%から45%にする計画らしい。
しかし投書者によればタイトル通り実現不可能なことらしい。自給率はアップどころか減少しているというのだ。
「のどかなもんだ」と椿三十郎は言った。お家の危機を目の前にして誰もそのことに気づかない。
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