台風7号の直撃はどうも確実になってきた。
関東地方を襲った台風は、令和元年の15号、19号以来ではないか。
15号では千葉県のゴルフ練習場が倒壊し、家々の屋根が吹き飛び、長期間にわたり停電が続いた。あのゴルフ場の経営者は損害賠償したのだろうか。
19号は100人を超える犠牲者を出し、多摩川や千曲川など大きな河川が氾濫した。7号も950ヘクトパスカルで上陸というから大きな被害が発生するだろう。
東京に住む人たちは何十年振りかで大きな台風を経験することになる。
関東地方は過去あまり大きな災害に直面したことがない。早く過ぎてくれることを祈るばかりである。
また医師の和田秀樹さんがいろいろ言い始めた。がんは早期発見・早期治療が常識になっているが、65歳以上の高齢者はがん治療によって健康寿命が短くなる恐れがある、と言うのである。
いつもの通りである。おっしゃることは良く分かる。65歳以上過ぎたらがん検診をするな、ということらしいが、しかしそういうわけにもいかない。
いい医者を探せというが一般の人にはどこがいい病院か、どう治療したらいいのか判らない。がん宣告を受けたらただ右往左往するだけである。
病気は運である。同じがんでも、助かるがんもあれば助からないがんもある。いい医者に巡り合うのも運である。
医療の現場ではなく、評論の場にいる人にはいろいろなことが見えるのであろう。無責任とは言わないが、ご意見を承っても参考にするわけにはいかない。
言い古された言葉であるが、現代はいろいろな情報が溢れている。情報が多いとそれだけ知識が豊富になった気になるが、しかし知識は豊富になったとしても何かが分かったわけではない。
高齢者の生活資金の問題もひと頃ずいぶんと話題になった。高齢者は年金で食べていけるはずが、食べていけない、ということになり、2000万円の貯えが必要だという見解が発表された。
高齢者の金融資産の保有状況が何度も何度も報じられ。1億円以上の金融資産を持っている人が何パーセントいて、預金の全くない人や100万円くらいしかない人が何パーセントいて、3000万円くらいの人たちが多い、とかいろいろ言われている。
人はその数字と自己の生活を比較するのであろうが、比較したところで預金が増えるわけでもない。現実があるだけである。
「高齢おひとりさま深刻」という新聞記事があった。おひとりさまの生活は深刻らしい。
ところが数日前のネットには、おひとりさまの生活は傍が思うほど深刻なものではない。一人の方が痴呆にもなりにくく、健康に生活していきやすい、などと書いてある。
なるほどそういうことも言えるか思ったが、どうもこの記事はネットでよく見かけるいわゆる煽り記事のようなものである。
ネットには否定の煽り記事が多いが、肯定の煽り記事もある。ネット記事は読者に広告を見させるためにある。気をつけて読む必要がある。
高齢のおひとりさま問題は、どんな楽観的な記事が掲載されても深刻であるはずである。
「一人で暮らす高齢者の生活がどうなっているのかあまり見えていません」と、この新聞記事は書き始める。そうなのである。「見えていません」なのである。
高齢者の問題は楽観にとどめるものではなく、この新聞の主張が言うように「社会全体で援助を」を結論とするのが正しい。正しい主張は地味で目立たないものである。(了)
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