北の宿から

つぶやき

 夕べは11時前に布団に入ったが、2時頃には目が覚めてしまい、3時からの歌謡番組を聞くことにした。都はるみさんの特集であった。

 デビューの頃からのヒット曲が10数曲放送された。
 歌のうまい人と言っていいのだろう。自分で歌がうまいと思っている人の歌い方であるという気がする。しかしだからよくないと言うつもりはない。

 都はるみさんのことからではないが、矢崎滋という俳優さんのことをこのところ思い出すことがある。

 彼が出演した映画とかテレビドラマということではなく、何年か前から芸能界から離れ、東北のビジネスホテルで暮らしているという話に興味があるのである。

 都はるみさんもこのビジネスホテルで矢崎さんと一緒のところをフライデーに報じられていた。

 矢崎さんが俳優活動をやめたのは2014年のテレビ出演以後だという。
 ひょっとしてと調べてみると、その年に相棒に出演している。内容はあまり覚えていないが、私はその番組を見ている。
 彼らしいキャラクターであったような気がする。

 矢崎さんが俳優活動をやめるきっかけになったのは、60歳を過ぎて出演依頼が減ったということと、ギャラの減額であったらしい。
 もう自分は必要とされていない、と思ったということを述べている。

 こういう経験をしない俳優さんもいるかもしれないが、バイプレーヤーと呼ばれる俳優さんたちは、みな同じ思いをしているのではないだろうか。

 矢崎さんの父親は言語学者で、アンデルセンの翻訳家としても知られる東京教育大学の教授を務めた人である。
 矢崎さん本人も東大の文学部に入った人だが、学者の道では父にかなわないと演劇の道に進んだという。

 いろんな人生を演じてきた人が、今華やかに活躍した場を離れ、一人住まい。
 そういうことでは都はるみさんも同じなのかもしれない。

 人生充分華やかに生きてきたから、締めは自分の好きなように生きていきたいということなのか、華やかに演じてきた役者人生は結局虚しいということなのか。

 北の宿から矢崎さんは何も語ろうとしない。

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