円安であるが、円安には、「進んでいる」、「止まらない」、「歯止めがかからない」、といった言い方がある。
歯止めがかからないというのは、あまりいいことではないときに使われる言葉である。
私は実のところ、円安がいいことなのか、よくないことなのか、あまりよく分かっていない。
円安で輸出企業の業績が大幅に伸びたという報道を耳にすると、なんとなく景気が良くなったのかと思ったりするが、円安で儲けた企業が社会に還元するようなことはあるはずがないから、物価上昇につながるのが円安であれば、円安は庶民にとっていいことではない。
景気という言葉はよく耳にする言葉であるが、あまり実感するようなことはなかった。
景気というものが身近にあったのはコピー機である。
マンション販売の建築会社に勤めていた時、マンションの売れ行きが悪くなると、ゼロックスによるコピーが禁止された。青焼きのコピーにしろ、というのである。
あのバブル時代も景気というのであろうか。
景気がいいと言ったらあの時代ほど景気のいい時代はなかったであろう。当時私は不動産屋をやっていたから、ずいぶん恩恵を受けた。
景気が悪いと言ったらバブル崩壊時ほど景気の悪い時代はなかった。バブル崩壊で人生の危機を迎えたこともあった。
不動産業をやめて委託業務に変えたときは、景気というものを考えたことはなかった。あの大騒ぎであったリーマンショックのときも、私の仕事にはなんの影響もなかった。
景気とは何だろうと思うことがよくある。携わる業種で実感が異なる。
景気のいい悪いを知るにはタクシーの運転手に聞くのが早いと言われるが、景気とはそんな程度のものなのだろうか。
最近生活に直結している商店や飲食店などの倒産を耳にする。小麦の値上がりは広い範囲の業種に影響するようだ。
私の住む地域のガソリン価格は他の地より比較的安かったが、現在170円になろうとしている。
年金暮らしの高齢者にとって景気とは物価上昇のことしかない。
仕事をやめ、年金と貯えで食べているので、景気に関心を持ったところでなんの意味もない。唯一の関心は「預金がもつかな」ということだけである。
予定以上の長生きとか、高額な医療費のかかる病気の発症とか、わずかな貯えを食いつぶしてしまう要因はこの先たくさんある。
このところの円安。160円を超えてしまった。アメリカとの金利差などもその原因と言われているが、要は日本が買われていないということである。なんでも買われるということは魅力があるということである。
知らぬは国民ばかりで、日本は将来的に世界から期待されていないということではないのだろうか。
1000兆円を超える借金。政府は何の問題もないと言っているが、太平洋戦争の時も何の問題もないと言っていた。
昨日新札が発行されたが、お札の発行は今回が最後とも言われている。
預金封鎖の記念品にならなければいいが。
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