離婚後の共同親権を認める改正民法が成立した。
正しく改めたと言うことであるから、現行の単独親権はいろいろ問題が多かったということになる。
以前非嫡出子の相続分は嫡出子の半分とされていたが、これも改正されて嫡出子と同じということになった。
妾の子と本妻の子が同じ相続権を持つことは、今でこそ社会は納得するかもしれないが、日本の伝統からしてはあり得ないことであった。
最高裁が非嫡出子の相続分について憲法違反と判断したのは、平等を明記した新憲法制定から半世紀以上も経った平成25年のことである。
親権というものは、未成年者の子の養育、財産管理などに関する親の権利義務のことで、成人した子供には関係がない。
成人した子供にも、親の権利として小言の一つも言いたくなるだろうが、その場合は子に対する不当な干渉ということになり、毒親と呼ばれることになる。
婚姻中の親権は夫婦共同親権とされているが、それがいいということではない。戦後アメリカによってもたらされた男女平等の考えがそうさせただけのことで、それまでの日本における親権は絶対的権利者であった父親のものであった。
現実に母親は、「私では決められない」というのが普通である。
夫婦関係を解消する場合、今までは両親の一方の単独親権とされていたが、今後は協議で単独でも共同でもいいということになった。
何故共同親権がクローズアップされるようになったのか。
親権はなによりも子供の幸せを第一とする制度でなければならない、というのが今回の法改正のコンセプトらしい。いまさら何をと思うが、そのためには共同親権という選択肢もあった方がいいということらしい。
しかし共同親権という選択肢は、それが円満に選択されるというよりも、片方が単独親権を主張し、それに納得しない片方が主張する場合が多いことになるはずである。
別れた夫婦が「共同」して親権を行使することができるだろうか。
離婚経験、不倫経験、隠し子経験、女は子供を産んで初めて女になると言う議員さんまで、いろいろな人がいる国会での審議であるから、経験豊富な議論がされたことと思うが、実際はどんなものだろうか。仏作って魂入れずと言うが、仏を作っていればまだいいが、仏を作っていないかもしれない。
私は離婚の経験を一度もしていないので親権のあり方について詳しく考えようがない。国が親権問題に真剣に取り組んだとしても所詮は制度である。生身の生活から生じる問題を制度化できるものだろうか。
私の甥子は2人とも離婚した。それも子供が幼いときである。
そのうち一人はどうしようもない浮気者であったから離婚原因は甥子にあるはずである。叔父として同情する気は全くない。
もう一人の甥子の場合は甥子にも原因はあったようだが、お嫁さんにも原因がある。
お嫁さんが浮気したとか、浪費癖があったということではない。とんでもないケチだったのである。
お嫁さんは嫁ぎ先のお金に関心があったとしか考えられない。嫁ぎ先は私の実姉の家である。その頃、姉の夫の仕事は景気が良かったから、小さいながらもビルを建て、姉は毎日のように友達を従えては日本橋、銀座あたりで散財していた。
お嫁さんは、義母の浪費と家業の衰退を予想して離婚を決めたはずである。
養育費は月20万円。子供は一人である。こんな高額な養育費は聞いたことはないが、愚かな姉は承諾してしまった。
離婚の原因の大半は男にあると言われるが女の打算ということもある。
男の暴力や身勝手に泣く女は多いが、女の狡さに子供にも会えず寂しく歳をとる男もいる。
今もそうかもしれないが、昔は親と娘で嫁ぎ先の財産を乗っ取ってしまうことがよくあった。たいてい男は30過ぎて独身で、恋愛の経験もなく、もてないタイプの場合が多い。タチの悪い親と娘に狙われたらひとたまりもない。
共同親権の協議が調わないときは家庭裁判所が決めるということになっている。
裁判所の人達は皆さん優秀な人たちばかりであるから見落とすことはないと思うが、離婚原因はすべて非公開のところで生じたものである。そんなものまで裁判所は把握できるだろうか。裁判所に助けを求めていいものなのか、無駄なのか。
なんと言っても離婚するような結婚をしないことが一番である。(了)
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