「今年亡くなった人」を見たが、意外と90歳を超えている人が多い。
渡辺恒雄氏は98歳。桂米丸師匠は99歳。谷川俊太郎氏は92歳だった。
ドラえもんの大山のぶ代さんも90歳になられていた。
渡辺氏のように、亡くなる直前まで現役で活躍していた人が多い。70歳台で亡くなるのは今の時代早死にということになる。西田敏行氏、小倉智明氏、火野正平氏は70代であった。
今年はずいぶん声優さんの訃報が多いなと思っていたが、「相次ぐ声優の死」という新聞記事があった。
そんなに声優の人達を知っているわけではないが、私が知っている人だけでも、大山のぶ代さんも声優であるし、「ちびまる子ちゃん」のTARAKOさん、「ルパン三世」の峰不二子役の増山江威子さん、それに「ドラえもん」の野比のび太役、「ヤッターマン」ドロンジョ役の小原乃梨子さんも亡くなっている。
皆さん番組の終わりのテロップで知った名前であるが、どんな人なのだろうかと名前を見るたびに思ったものである。
自分の関心ということからすれば、やはり小澤征爾さんのことになる。88歳の生涯。ブサンソン指揮者コンクールで優勝したのが1959年ということであるから24歳のとき。私がまだ中学生のことである。
松本の音楽祭の映像で晩年の姿を拝見したが、あの溌溂とした指揮ぶりからは思いもよらない姿であった。
亡くなった著名人という中で唯一話を交わした人がいた。と言っても電話でのことである。ウェディングドレスデザイナーという桂由美さんである。
私が建築会社に勤めていた50年くらい前に、青山にブライダルビルを建てたいという桂さんからの依頼があった。
当時私は桂さんの名前をどういうわけか知っていた。有名な割にはとても気さくな人であった。
結果として私が勤めていた会社で受注することはできなかったが、桂さんのブライダルハウス本店というのは青山にあるらしい。
桂さんは青山にこだわっていたようである。
この歳になって著名人の訃報リストを見ることは、若い頃と違ってその受け止め方も変わってくるのは当然のことかもしれない。
90代の人を見れば、その歳なら仕方がないと思うし、80代の人を見れば、私もそんなに遠いことではないなと思う。70代の人には自分の幸運を感じる。
80まであと2年。それまで再発や転移がなければ、ガンは一応完治したということになる。今までの3年は早かったが、これからの2年はどうなのだろうか。
歳をとれば、多少は先が見通せるものと思っていたが、目はかすむし足腰は弱る一方。若いころ以上に先が見通せない。
歳をとっていくということは、思った以上に大変なことであるらしい。
亡くなられた人たちのご冥福を心からお祈り申し上げる。
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