安倍さんは総理大臣の時を含めて、「森友・加計学園」や「桜を見る会」「統一教会」などいくつもの疑惑があった人である。
そんな中、当時東京高検検事長だった黒川弘務氏の定年を延長する閣議決定が、強引な法解釈によってなされた。
そんなことがあったなと、今朝新聞を読んで思い出した。
安倍さんに対する疑惑解明に検察が動くのではないかと、という情勢に、安倍氏に近いと言われる黒川氏を検事総長にして、事態の乗り切りを図ろうとしたのではないか、と巷間噂された閣議決定である。
その黒川検事はその後賭けマージャンがバレて辞任した。
定年延長を決定した閣議の記録文書の開示請求がなされたが、国は認めなかった。その不開示決定を取り消すよう求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であった。判決は訴えを認めた。
安倍政権の突然の法解釈の変更に関して、「特定の検察官のためではない」」とする国の主張を、「黒川氏以外にあり得ない」と一蹴した。
さらに閣議決定の記録文書がないという国の主張に、「そんなはずがあるわけない」と相手にしなかった。どういう裁判官だったかは知らないが、提訴していた大学の教授はえらい人である。
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で逮捕、起訴されたKADOKAWA元会長の角川歴彦氏が27日、無罪を主張するほど身柄拘束が長引く「人質司法」によって精神的苦痛を受けたとして、国に2億2000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
角川氏の勾留は7ヶ月あまりに及び、心臓に持病を抱えていたが、検察も裁判所も一切考慮しなかったという。
「角川さんは死なないとここから出られません」という発言が拘置所関係者からあったらしい。角川氏は「品位をおとしめる拷問」と述べている。
最近人質司法ということが言われている。カルロス・ゴーン、大川原化工機事件。村木厚子さんも人質司法の犠牲者であるが今始まったことではない。
特権のように検察は人を拘束する。「痛い目に合わないと白状しない」。戦前どころか江戸時代の「お上」の思い上がりが残っている。
人の弱みを握るが、自分たちが糾弾されることはない。そういうことは警察も同じである。危険な人間を養成する職業である。こんな人たちが野ばなしになっている。
角川氏は今回の国賠訴訟と並行して、日本の人質司法の違法性を国連人権理事会の恣意的拘禁ワーキンググループに通報したという。日本の恥を世界にさらすことになるがそうでしたところで是正されることはないだろう。
人質司法は誰が決定するのであろうか。裁判官にも検察官にも人質司法は好ましいものではないと思っている人はいると思うのである。この異常がなぜ是正されないのか。
角川氏は残りの人生をこの裁判にかけたい、と言っている。国の責任を認めさせることは大事なことだと思うが、しかし賠償請求訴訟である。国が負けたとしても払うのは税金からである。
人質司法は国家賠償ではなく、監禁罪として刑事告発で問われるべきではないか。裁判官や検察官を勾留しなければ、彼らに勾留の意味は分からない。
黒川検事の賭けマージャン、元大阪検察庁検事正の準強制性交による突然の逮捕。いずれも個人の問題であって検察本丸には関係がない。誰がリークしているのだろうか。(了)
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