中国の横暴

つぶやき

 鄧小平が1978年に来日した際、松下電器や日産自動車を見学し、その技術の高さに驚嘆し、新幹線に乗った感想を「まるで風に乗ったよう」と語った話は有名だが、滞在したホテルの蛇口から水とお湯が出ることに感心し、「中国もこういう社会にならなければいけない」と側近に言った話が伝わっている。

 ちょうどその頃、労働組合運動をしている友人と飲む機会があったが、鄧小平が進めようとしている共産主義の計画経済から市場型経済への、いわゆる改革路線というものについて友人は批判的であった。
 日本の一労働組合員が批判するまでもなく、北朝鮮などの共産主義国において許されざる変容であった

 それから数十年にして中国は、世界の援助を受けながら、豊富な労働力と低賃金により今や世界第位の経済大国となった。
 日本から世界の工場」の地位を勝ち取り、共産主義の国でありながら、資本主義経済の象徴とも言うべき株式市場を持っている。

 鄧小平は若い頃フランスに留学しているらしい。留学と言っても恵まれた学生生活を送ったということではないようだが、西欧経済を肌身で感じたということであれば誰よりも経済に関して敏感であったのではないだろうか。

 鄧小平は、中国は覇権を望まないと発言していたが、後継者たちは覇権に走っている。
 
 中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を行った。台湾の頼清徳総統の就任式が20日にあった直後のことである。
 一つの中国をなんとしてでも実現したいということであろう。
 中国の国名は中華人民共和国。台湾の国名は中華民国。確かに中華が2つある。

 中国が共産主義を捨てて自由経済の国になるというのであれば、台湾に吸収されるの筋だと思うが、もちろんそんな簡単な問題ではない。

 中国という国は共産主義のような体制でないと国民を統制しきれない、という指摘が昔からある。
 多民族国家であるが、9割以上は漢民族である。そうであるなら単民族国家に近いことになり統率がしやすいと思うが、漢民族というのがどうもタチが悪いらしい。
 経済発展で豊かになった地域と、内陸部の昔ながらの農村部との格差は大きいものがある。矛盾をはらんでいる国なのである。
 
 台湾に加担すれば、「日本の民衆が火の中に連れ込まれる」と発言した駐日大使が問題になっているが、中国外務省報道官は「事実に基づいており、完全に正当で必要なものだ」と擁護した。

 日本は完全になめられている。中国の兵力は200万人を超えているという。自衛隊の兵力は24万人。勝てるはずがない。

 昔中国はその文化の高さで世界の尊敬を集めていたものであるが、今は軍事力で周辺各国を脅している。孔子さんが生きていれば何を言うのだろうか。(了)

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