上 告 断 念

つぶやき

 民族浄化(みんぞくじょうか)という言葉をこのところ耳にする。
 「おもに戦争における戦略として、大量虐殺、強制移住などの手段で特定の民族を殲滅させることを言う」といつものウィキペディアにある。 
 語韻からは想像できない恐ろしい内容である。

 米国のトランプ大統領がパレスチナ自治区ガザ地区から全住民を域外に移住させ、「所有」を目指すなどとした発言に対し、国連のドゥジャリク報道官は、「すべての強制移住は民族浄化に等しい」とこの言葉を使って批判した。

 ガザ地区とは、そもそもパレスチナ自治区とは、と基本的なことが分かっているわけではない。中東のこの辺のことは全く分からない。ただこの地で生活する人々や幼い子供の姿がテレビに映し出されると、なんとか平和にならないものかと思う。

 「全住民を域外に移住させ、アメリカが所有し、ガザ地区を再建する」。そんなことが果たしてできるだろうか。 
 
 トランプ大統領。就任以来関税問題、移民の強制退去、ガザ発言などやりたい放題である。日本に防衛費増額も要求するのだろう。
 アメリカの不利益になることではないから、国民は支持するかもしれない。
 移民の強制退去はどういう結果を引き起こすのだろうか。

 日本では石破首相が、森友文書不開示に関する上告を断念したというニュースが今日の朝刊のトップにある。

 財務省は学校法人森友学園への国有地売却に関する決済文書の改ざんを繰り返していた。
 「取引に私や妻が関与していれば首相も国会議員も辞める」と当時の安倍首相が発言したことが忖度の原因である。
 改ざんに関わった赤木俊夫さんは自ら命をたち、妻の雅子さんが戦いが始まった。

 石破さんは、「赤木さんと遺族の気持ちを考えた時、判決は真摯に受け止めるべきだと考えた」ということを理由に、上告しないことに決めたというが説明になっていない。気持ちも真摯も関係がない。開示請求は国民の権利であり、それを阻害するものはないはずである。

 首相が開示に応ずるとしても、どうでもいいような資料が公開されるだけのことは目に見えている。
 
 赤木雅子さんは石破首相に、『ありがとうございます』とメールをしたという。「石破首相の指示で上告しない方針にしようということなので感謝です」と心境を語ったそうだが、この気持ちが裏切られることがないことを祈るばかりである。雅子さんは裏切られっぱなしである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました