あらためて、袴田事件再審裁判における最高検察庁の畝本直美検事総長が発表した談話の全文を読む。
「…このように、本判決は、その理由中に多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容であると思われます。しかしながら…袴田さんが、結果として相当な長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきたことにも思いを致し、熟慮を重ねた結果、本判決につき検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断に至りました」
これが袴田さん無罪判決に対する最高検察庁検事総長の言う言葉であろうか。真犯人だと思うが、袴田さんが可哀そうだから控訴しないことにした。
袴田さんの弁護団は、この検事総長談話は袴田さんを犯人呼ばわりするもので名誉毀損にあたるなどとして、国に550万円の賠償などを求める訴えを昨日起こした。
「自ら無罪判決を確定させる意思を表明する場面で、袴田さんを真犯人と公言することは刑事裁判制度を冒涜する行為だ」
これ以上的確な言葉があるだろうか。
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