岸田内閣の支持率が10%台になったという。支持率調査は調査する新聞社などによって異なるから正確なところは分からないが、ともかくあるニュース会社の調査では10%台ということらしく、それはあの麻生内閣以来のことだという。
いつものようにあまり記憶はないが、確かに麻生内閣は短命内閣であった。自信満々で記者会見に臨んでいたが、最後はすごすごと退散という印象がある。みっともなさだけが残ったような内閣であった。
閣僚の辞任ドミノが続いているということだが、岸田首相に責任があるとも思えない。みんなが集めた金を分けただけのことではないか。それが法に触れるというなら、信号機のない横断歩道での一時停止違反のようなものである。電柱の陰にいて見えない歩行者を、「見えないあんたが悪い」という警察と同じである。とは言っても政治家と金の問題が理解できるということではない。
しかし岸田内閣にこれほどの安倍派の人たちがいるとは思わなかった。
首相になったら自分の子分だけで内閣を組織するものと思うが、そうはいくはずもないことは分かる。総理になるには他の派閥の協力があってのことだから、その見返りに閣僚ポストを用意しなければならないからだ。
何人かの安倍派の閣僚が辞任したが、本来は更迭のはずである。引導を渡される前にこちらから渡した、という感がなきにしもあらずである
しかし政治とは無責任なものである。辞任した経済産業相の西村氏や農相の宮下氏は、福島第1原発の処理水の海洋放出をめぐる風評対策を担当してきた人である。
しっかりとしっかりと、と言ってきた人たちがこんなに簡単にやめていいものなのだろうか。
拉致被害者救出の担当大臣というのも、大臣になった時は期待を持たせるようなことを言うが結局何もせず退任するだけである。被害者の家族はただ振り回されただけであった。
キックバックとリベートとは同じ意味と理解していいらしい。商売にはつきものである。
儲けさせてもらうことの謝礼というのが一般的な理解であるから、医者への謝礼などはリベートということにはならないということになる。
通常は内々に渡すものであるが、受け取る側が公然と要求することが多い。
大手の事務機販売会社の営業マンは「この商品を買ってもらうと製作会社からのキックバックをもらえるので買ってくれないか」と言う。テレビでCMまでしている会社である。
関東人は、と一概には言えるものではないが、割とリベートに関しては淡白である。特定の地域出身の人は当然のこととして要求してくる。商売は持ちつ持たれつということが骨の髄までしみ込んでいるようである。
業種によっては、リベートが客の損失によって支払われるということが少なくない。贈収賄にはならないだろうが、背任にはなるはずである。
パーティ券の購入を持ち掛けられて迷惑と思う人はいるし会社もあるだろうが、それを喜ぶ人がいて喜ぶ会社がある。「自分のところにもお声がかかった」と喜ぶのである。
法に触れるようなことをしているところであるから、パー券を買っておけばなんかのときに役に立つと思い込んでいるのだ。私が若い頃、少しの間働いていた政府系の住宅融資制度を運用する団体での経験である。喜び勇んでパーティ会場に駆けつけていた。
法に触れるようなことをしていないところでも、買っておけばなんかの役に立つと思っているのがパー券である。政治と商売はつながっているのである。これを批判しても始まらない。
しかし以前にも書いたことであるが、自民党の総裁という人が総理大臣である内閣を、自民党が支援しようとしない。あるのは「もうもたない」という声ばかりである。なぜもたせようとしないのか
多くても1000人くらいの調査対象者というアンケートの結果によって、内閣の浮沈が左右されるということは正常なのか異常なのか。
岸田さんを見ていてホッとするものがある。岸田さんはプーチンや習近平やトランプに似ていない。自信満々でないところがいい。
自信満々ではなく、強い国であったら最高であるが、それは無理かもしれない。政治のごたごたは平和日本の象徴でもある。(了)
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