マレーシアのバス事故

つぶやき

 マレーシアで起きた観光バスの事故で、日本人の女性が亡くなったようだが、夕方のニュースではJTBの記者会見が放送されていた。

 会見場に立った3人の男性のうち、真ん中に立った人が、「旅行を主催した会社として誠に申し訳なく、心より深くお詫びを申し上げます」と謝罪し、そろって深々と頭を下げた。

 謝罪の言葉を述べていた人はJTBの社長さんだったらしい。

 しかし、ずいぶん早い謝罪会見だなという印象が残る。まだ事故の詳細も把握できていないのではないだろうか。

 そんな中で、JTB社員の添乗はないが安全管理は徹底して行っていた。現地のバス会社とは密接に連絡を取りあっていた。バス運転手の走行距離は500キロとしていた、などなど冷静に適格に、会社として企画からツアー日程の終了まで万全を期していた、ということを述べていた。

 JTBの社員が運転していたわけでもないし、亡くなった方、怪我をされた方には申し訳ないが、交通事故はどこでも起きてしまうもの。企画した会社にさほどの責任はないのではないかと思っていた。

 しかし社長さんの話を聞いていて、ツァーの企画そのものに、場合によっては責任が発生する、ということに気がついた。
 
 このツアーにJTBの添乗者がいないということは意外であったが、海外旅行が今日のように盛んな時代になれば、人員確保のことから添乗員なしは普通のことなのかもしれない。

 しかし企画した会社の社員が1人もいないということは、今後問題になることを予想しての発言のようにも聞こえる。

 謝罪会見を聞き終えて、そんなに急いで会見を開く必要はないということではなく、意図された早さというものを感じた。

 とにかく一刻も早く謝ってしまおうということらしいが、謝罪ではなく弁解であった。

 しかし社長さんは「心より深くお詫びを申し上げます」と言っていたが、この言葉を聞くたびに、誰に対してお詫びを申し上げるのだろうか、といつも思う。

 この謝罪が日本の社会をいい加減なものにしてしまったのではないだろうか。

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