オーデコロンの思い出

つぶやき

 「風と共に去りぬ」という映画を知っているが、全編を見たことはない。
 何週間か前、NHKBSで放送されていたのでチャンネルを合わせたが、見ていて面倒になって途中でやめてしまった。

 わずかの時間であったがその中で、スカーレット・オハラが酒の匂いを消すためオーデコロンでうがいをするシーンがあった。有名なシーンらしい。

 オーデコロンでうがいをするという話は、この映画ではなく他のことから聞いたことがあり、私にとってとても印象深い話なのである。

 ロブロ・フォン・マタチッチはNHK交響楽団の団員にも敬愛された指揮者であったが、初めてN響を振ったときのエピソードに、指揮台に向かう直前にオーデコロンでうがいをした、という話がある。かなり酔っていたらしい。

 この話を聞いて、さすが大家といわれる指揮者、やることがカッコいいと思ったが、この映画を見てオーデコロンでうがいをするのはマタチッチのオリジナルではないことを知ることになった。
 オハラの真似をしたということでもなく、オーデコロンをそのように使うことは欧米などでは普通のことなのであろう。
 
 きのう、そのマタチッチとチェコフィルによるチャイコフスキーの5番の放送があった。以前も聞いたことがあるがこのコンビによる演奏、名演でないはずがない。

 しかし冒頭のテーマが聞こえない。第2楽章のホルンのソロの前の和声が聞き取れない。音量を上げて聴きいるが、響きが汚い。
 音楽は凱旋したように終わるが、私の耳には騒音としか残らない。

 あのチェコフィルの弦が雑音に聞こえる。歳をとることにはこういうこともあることを知らされた。実に情けない。

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