先日新宿のぼったくりバーが摘発されたという報道があった。
5,000円で飲み放題としながら30万近い請求をしたらしい。法外な請求をして、暴力的な言動までしたというのだから捕まってもしょうがない。
しかしボトル1本、どんなに高くても1万か2万くらいしかしないものに何十万円も払って満足している者もいる。銀座のクラブなどがそうであるし、最近ではホストクラブが一晩で100万とか200万とかという話も聞く。
ホストクラブに行くために風俗店で働く女性もいるという。
遺言書の作成を弁護士に依頼すると、20万円から50万円の費用がかかる。
単なる遺言書の作成にそんなに費用がかかるはずはない。知識がないということは立場が弱い。従って知識のある者はそれにつけ込んで吹っ掛けてくる。遺言など自筆証書遺言をすればタダである。
私の知り合いの人は、相続登記をするだけで弁護士に100万円の手数料を支払った。立場の弱い人を助けない。鴨ネギとしか思わない。あきらかなぼったくりである。
税理士や司法書士などの士業は、もともと税務署や登記所に働く公務員の退職後の職として設けられたと言われている。
いまでも退職公務員のための試験制度はあって、毎年何人もの税理士や司法書士が登録している。
しかし検察庁の特捜部長が弁護士になって反社会団体の顧問弁護士になるのとは違い、なかなか食べていけないらしい。長年の公務員としての職癖が、接客業には向いていないらしい。
食べていけないのは知ったことではないが、資格を与えるという仕組みがそもそもおかしい。一般受験者に不公平である。
公証人も退職者のいわば転職先である。裁判官や検察官などを定年退職した人たちが、順番に何年かの間その職に就くことになっている。
詳しいことは知らないが、何千万円か何億か、公証人として売り上げを得れば次に待っている人に譲るらしい。公証人役場も立地によって売り上げが変わるから、いい場所を確保できるかが、定年間近な裁判官などの大きな関心事らしい。
公務員社会にとって、定年後の職というのは昔から考えられていたことになる。政府関係の財団とか社団とかいう団体が数多く設立されるのは、高級官僚の天下り先のためであった。
中級クラスの公務員は民間の企業に行くことになるのだろうか。
役人天国という言葉がひと頃よく言われたが、こういうことをまかり通すことが日本という社会であった。合法的に制度を作って、組織的に社会をぼったくっていたことになる。
30年ほど前、新宿でそば屋を長年営んでいる人の依頼で、その人の財産調査をしたことがある。主に不動産である。
調べてみると、あんな小さなそば屋がどうして、というほどアパートや住宅をたくさん所有している。それも都心である。
戦後間もないころ商売を始めたと言うが、しかしその当時、かけうどん1杯20円か30円の時代である。
どうしてこれほどの財産を残すことができたのであろうか。ご亭主はその秘密は明かさないが、そう言うことができた時代だったんですよ、ということであった。
自費治療を薦める歯医者が多い。「自費でやっていただければ、これからもずっとかかりつけ医としてやっていきます」、などという人もいる。
セラミックにすれば見た目が綺麗になるということで数十万円払ったこともある。今その歯が全部ダメになり、入れ歯になってしまった。綺麗になるという言葉に惑わされなければこんなことにはならなかった。
この歯科医はある不動産会社のお得意さんで、アパートを何件も持っている、という話を営業マンから聞いたことがある。ぼったくった金が不動産になっている。
石油を発見したの、ダイナマイトを発明したの、ということもなく、シャツを作ってそれを売って、どうして何兆円もの資産ができるのだろうか。
私の住む小さな町の不動産屋の社長さんは、どうして年収8,000万円にもなるのだろうか。要は高く売っているということである。下手にぼったくれば捕まるが、上手にぼったくれば資産家である。(了)
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