地元でかなり荒っぽいと噂される不動産会社の若い営業マンのプロフィールに、「趣味 人間観察」とあった。
思わず笑ってしまう。保護観察でもしなければ何をしでかすか分からないような人間が人間観察。
2分の1×2分の1の計算もできず、宅建の試験など受かるはずがないから毎年スルー。そんな人間が人間の何を観察するというのか。
仕事の得意先であったある私鉄傘下の不動産会社が解散することになったとき、その会社の部長の肩書を持つ人が私の事務所に訪ねて来た。
用件は、今まで仕事を紹介してきた見返りとして、自分をこの事務所の顧問にしてほしい、それができないならば今まで仕事を紹介してきたことの謝礼金が欲しいということであった。
この人が本社に部長としていることは知っていたが、私の事務所に仕事を紹介するような立場にいた人ではない。お目にかかるのもその日が初めてであった。
決論を出しようもなく、先方もそれ以上言いようもなかったのか、その話はうやむやのままとした。世の中にはこういう人がかなりいる。
資格商売というものは、資格をとっても仕事がなければ乞食のようなものである。私の場合、それまでの仕事の関係で、開業してすぐに処理しきれないほどの仕事があった。
資格試験合格後の研修会で知り合った何人かの人から共同事務所を持ちかけられた。共同事務所にするメリットは私にはない。こういう人間が世の中には平気でいる。
こういうことを書くとキリなく書くことができる。
仕事をやめて気分のいい毎日を送っているが、仕事をしていた頃の不愉快さを思い出すと、すべてたかられたことになる。
人間というものはたかるものである。医者までたかる。たかることのイヤらしさをたかる人は感じないらしい。
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