「日本をもう一度世界のてっぺんに」と言って、高市議員が総裁選に立候補を表明した。
トランプも、「アメリカを再び偉大な国へ」と言い、安倍元首相も「日本を取り戻す」と言っていた。
アメリカも日本も、取り戻さなければならないことがあるらしい。
何事にも経年劣化ということがある。繁栄というものはいつまでも続くものではない。日本をてっぺんにしなくたっていいではないか。
人口減少、高齢化社会など解決し得ない問題が多い時代、現状維持でも現状以下でも平和であればいい。
総裁選立候補者の踏み絵になっているようにも思われる選択的夫婦別姓制度に関して、保守的考えの人達は概ね反対を唱える。
経団連までが、選択的夫婦別姓制度の早期立法を催促しているというのに、なかなか進まない。なぜなのか。
夫婦別姓やジェンダー、すべて共産主義者の陰謀であるという主張がある。
家族共同体を個人に解体する共産主義思想が、ロシア革命直後に実践されたという。家族共同体は共産主義にとって不都合なことらしい。
共産主義思想は、連帯を重んじるのではないかと思っていたが、私の浅薄な知識では理解しようもないことである。
しかし戦後、日本の家族制度を解体したのは共産党ではなくGHQではないか。
日本の兵士が勇敢で強いのは家族制度にあるとGHQは捉えた。日本を弱体国家にするには戸主制度を解体して、個人をバラバラにしなければならない、と考え実行した。
個人がバラバラになったことに対して、個人主義とか自由とかいう耳新しい言葉が使われ、人々は利己主義と個人主義の違いに迷いながらも自由を謳歌し、政府はそれがゆくゆく日本を弱体化することに気がつかず、今頃になって無防備な国であることに慌てふためいている。
靖国神社は平安の昔からあるのかと思っていたら、明治からのことであった。
伊勢神宮を始めとする神社神道と、靖国神社、全国の護国神社、忠魂碑は、全く異質のもので、戦前は陸海軍の管理下にあったらしい。
「国民を戦争に駆り立てるために、国家があえて作った神社です」と説明する記事があった。
「国家のために死んでいった軍人を英霊として祭る、という発想は、明かにこの時代の国家による新興宗教です」
なるほどと思う。「英霊として祭る」 確かに新興宗教である。信じたくなる言葉であるからである。
憲法改正の論点は、自衛隊と私権の制限となる。
軍隊を強化して日本を敵から守らなければならない。そのためには国民は権利ばかりを主張せず、一致団結して、国家に対して恭順でなければならない。
アメリカに押し付けられた憲法であるから、自主憲法制定の掛け声を上げれば大多数の国民の賛同が得られるはずだが、これもなかなかうまくいかない。
日本人は日本国憲法の素晴らしさを知っているのか、ただ単に戦争反対なのか。
保守派からすれば、国民を自由にし過ぎた戦後教育の失敗であり、アメリカからすれば日本弱体化の成功である。
しかし戦争を放棄させたアメリカが、今では日本の再軍備を求めている。
夫婦別姓がなぜ日本の根幹にかかわる問題なのか。なぜ男は男らしく、女は女らしくしなければいけないのか。
日本は大日本帝国憲法の時代に戻らなければ再生しないということらしい。
そこに、個人の尊重という思想が無いことは確かなことである。
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