いい職業についてほしい

つぶやき

 「世の中のトレンドを知るには低俗週刊誌を読むことだ」
 「はやりの職業を知るにはテレビドラマの主人公を見ることだ」という話がある。

 テレビドラマの主人公はなんと言っても弁護士が多い。先日「屋台弁護士」というドラマがあった。

 医者で弁護士、芸者で弁護士、嫁は弁護士、7人の女弁護士、はみ出し弁護士というのもあった。

 はみ出し弁護士の役者さんは、せっかく「はみだし」というキャラクターを得たのに全くはみだしていない。はみ出す演技力がないようだ。そう、昔人気絶頂の時に引退したアイドル歌手の旦那さん。

 テレビドラマにおける弁護士は、有名な役者が演じる場合と名前も知らない役者が演じる場合がある。

 有名な役者が演じる場合は、もちろん主役で事件を解決に導くまさに正義の味方である。
 名前も知らない役者が演じる場合は、遺産分割の争いとか人間の醜悪な場面に登場する打算の味方である。
 ひとつの職業に好悪2つの印象があるのは珍しい。

 だいぶ前の連続テレビ小説で司法修習生の話があった。
 「いいかお前ら、弁護士なんてものは人間の汚いもので飯を食っているんだ。ちっともえらいもんじゃないんだ」と教官が述べるシーンがあったが、その教官は泉谷しげるが演じていた。

 弁護士に関する記述が長くなってしまったが、弁護士批判がこの稿の目的ではない。目的としたかったのは人の職業のことである。
 社会的に評価されているからいい職業とは必ずしも言えないことを弁護士という職業は表している。

 いまさら職業について考えることもないのだが、男の孫2人がはや高校3年生、将来の進路というものが気になるのである。

 私はちゃんとした会社に勤めたことがないから、会社勤めという職業が何たるかは本当のところは分からない。

 昨年問題になった保険金不正請求の中古車販売会社などはそもそも会社と呼べるような代物ではない。根っからの悪徳会社である。日本中こんな会社ばかりではない、といいたいところであるが、こんな会社が結構多い。

 日本の大手企業という会社が、なりふり構わぬ業績優先という企業体質であることが気になるのである。先日大手損保会社の行政処分があった。

 私の知る大手損保会社の社員は皆一流大学の出身者ばかりであった。そんな彼らがこんな企業体質の中で、どうやって企業人としての人生を送っていたのだろうか。巻き込まれてしまうということなのであろうか。

 いわゆる一流と言われる銀行や商社に勤めていた人たちが、仕事をやめてから生きがい探しをしている。自分の今までの人生が無意味であったように、生きがいを求めているのである。職業とは何だったのか。

 残念なことに私は孫たちに「人生、金以外に大切なものがある」と自信を持って言えない。「人間やりたいことをやっていくべきだ」ということもあまり言えない。何がやりたかったのか判らないまま、こんな歳になってしまった。

 孫たちの快活な笑顔がいつまでも消えない職業であってほしい。

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