がんをやり、脊髄症・狭窄症で首や腰の手術をすれば仕事をやめざるを得ず、何もやることのない虚しさに、これだけの病気をしてしまったのだから仕方がないと自分を慰めてきたが、歩行困難は解消しないとしても、余命宣告を受けたわけではなく、多少とも元気に暮らせていけるのであれば、この先どうやって生きていこうか、と考え込むこともある。
病気にさえならなければ自営の身、まだまだ働いていた。
そんな歳になって働いてどうする、ということもあるが、人生いつまでも収入を得るということは人間であることを保つことである。
最近定年延長が言われているが、昔の企業は55歳が定年であった。
公務員の定年は60才。昔は寿命が短かったとはいえ、55才や60才ではやはり早い。
60才や65歳の働き盛りに定年になり、いわば仕事を奪われた人たちの人生はどのようなものなのか。75才まで働いて、それでも時間を持て余しているのだから、早く定年になった人達の老後の長さが良く判る。
やはり気分転換をしなければ体にも心にもよくない。
2年前、がんの手術をしてから軽い鬱になったようだが、気持ちの発散ができず結構つらい思いをした。ちょっと方向を間違えて思い悩むようなことがあれば人は簡単に鬱になる。
高齢ということはその先は行き止まりということである。よほど自分の気の持ち方に気をつけていないとマイナス思考になってしまう。
朝、鏡を見る度にまだ少しは若いなと思うが、夜、酔ってソファーに寝てる姿を写真に撮られると、こんな年寄りになったのかと思う。70代の後半は少しの若さと老いが同居している世代である。
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