<本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である>
毎日新聞21日の夕刊は、2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故後、原発の運転差し止めを初めて命じた、2014年5月福井地裁判決の内容を、この判決を言い渡した樋口英明氏の主張を紹介する中で引用していた。
判決文らしい文章であるが、文学的表現も見え、読む者になにか納得を与える文章でもある。
樋口氏(7年前に定年退官されている)の主張は、「真の保守こそ反原発の道を」とする、この記事の表題に凝縮されている。
原発問題は正直なところよく分からない。
福島第1原発が大地震によって電源を喪失し、テレビ中継の中で水素爆発が起こり、建屋は破壊され、メルトダウンという最悪という事態が生じ、自衛隊のヘリコプターが決死の覚悟で放水し、住民に避難命令が出され、日本の町や村に人が住めない区域が生じた。
こういうことが起きていたが、それがどういうことなのか、ということがハッキリとしていない。
日本の海岸沿いには50基以上の原発が並ぶという。
しかし原発は、強固な岩盤の上に建てることになっているから地震には強いらしい。
福島原発は想定外のことで、普通の地震であればこんなことにはならなかった。
火山の噴火による溶岩の噴出。戦争になれば原発への攻撃が予想されるが、心配なことではあるが、まずそんなことにはならないだろう。
原発に頼らなくても電力需要は十分賄えるが、今後AI技術や電気自動車の普及に膨大な電力を必要とする。
原発にはいろんな考えと事実が存在している。
樋口氏の思想は保守だそうである。取材した記者は、さぞかし左寄りの人だろうと思っていたらしいが、紛れもない保守だったと述べている。
保守は国を愛し国を守るとされるが、その保守がなぜ原発を推進するのか、と樋口氏は言う。
保守は原発推進をすることが、国を愛し国を守ることだと考えている。
福島原発事故の放射能が東京に届いていれば、原発問題は極めて簡単な問題であった。
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