久しぶりに市内行き付けのそば屋へ。
昼前に行ったが満席。4人掛けのテーブルに2人で座っていた工事関係者のような、かなり年配のおっさんが、”ここへ”と言ってくれる。
私に言ったのではなく家内に。家内が先に店に入ったから、女性だけと思ったのかもしれない。家内もまだ女性のようである。
4人掛けのテーブルにそれぞれトイメンに座ることになり、私は気を使ってくれたことに対するお礼のつもりで、「よくお見えになるのですか」などと愛想を使った。おっさんは不愛想だった。
30分以上待ってひと口食べて、今日のそばちょっと違うかな、と思う。味わいが薄い。しかしまずいということではない。そばは産地、天候、いろいろ影響を受ける。
このところ晩酌のシメがちょっと変わってきた。それも統一性に欠ける。
とろろめし、麻婆豆腐、回鍋肉。
とろろめしと麻婆豆腐はスタンダードかもしれないが、どこで食べてもそんなにうまいものではなかった。
とろろは芋がうまいのか、ダシがいいのか、卵がいいのか、とにかくシメにはいい。シンプルな味であるから素材のよさに尽きる。
チンなんとかという料理人の麻婆豆腐はおいしいと聞いて食べに行ったことがあるが、肝心のひき肉にうまさがない。
家内の作る麻婆豆腐のうまさに感心する。しかし家内は前から同じように作ってきたという。現役を引退して分かる味というものもある。
回鍋肉がうまいと思うようになった。これをホイコーロと呼ぶのが不思議である。鍋を回す肉。
実は、回鍋肉がおいしいから作ってくれと家内に頼んだということではない。つい最近まで、回鍋肉というものを食べたことがない。
以前高田馬場て不動産屋をやっていたとき,3軒先に町中華があってよく食べに行った。
私はいつも”あんとじ”のもやしそばを注文するのだが、”ホイコーロ一丁”という店員の厨房に告げる言葉の多さに、なんだそれは、といつも思っていた。
それがどうやら肉野菜炒めのことであることは分かったが、肉が入るなら食べたくないと、一度も注文したことがなかった。
しかしあれから40年。あれほど人気のあった回鍋肉を知らずして人生を終えるのも無念。家内に作ってくれと頼んだのである。
家内はいとも簡単に回鍋肉を作った。野菜と肉をこのような味付けで食べる。これはすごいことだと思う。
いつも思うことだが、日本料理と中華料理。評価の視点はいろいろあるだろうが、中国料理はやはりすごいものだと思う。
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