川の流れは気持ちがいい  

つぶやき

 結婚記念日であれば都内一流ホテルのディナーといきたいところであるが、青梅の多摩川沿いのホテルでのランチとなった。

 途中、飯能三杉台のモミジバフウは、紅葉が始まったのか終わったのか、そんなふうに見える状態であった。去年のような美しさがない。暑すぎた夏のせいなのか。

 青梅の駅近くの多摩川は渓流ではなく、滔々と流れる豊かな川という印象になる。川は気持ちを清々としてくれる。

 4時頃家に戻り、一杯やりながらテレビをつけると、深刻そうな話の番組をやっていた。何年か前放送された番組の再放送らしい。
 学生のときラグビーの試合で脊髄を損傷し、歩行困難となったラグビー部員の話である。

 ラグビーから離れ、ひとりリハビリに励んでいた4年生の時、同輩から、試合に出られなくてもラグビーに戻って来い、と誘いを受ける。
 誘う同輩の言葉がなかなかいい。

 自分に何ができるかと悩んだ末に、毎年勝つことのできない宿敵早稲田との試合データをまとめ上げる。
 その年慶応大学ラグビー部は10年ぶりに早稲田に勝利する。

 番組はそれで終わらず、部員のケガによって中止になっていた当時のラグビー部全員による富士登山が計画された。

 ケガから12年後、松葉杖でラグビー部員数十名と富士登山を果たす。
 
 感動的な話であり、当事者たちも感激し、涙も出る話であるが、同情物語にはなっていない。
 仲間たちは怪我した部員を健常者扱いし、気を遣わない。
  
 監督や、怪我の当時隣でスクラムを組んでいた部員の思いが画面に紹介されていたが、怪我したことは元に戻らない。

 友情物語と言っていいのであろうが、こういう人間関係があることを信じたい気になってくる。

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